1.会社法人登記(商業登記)とは?
法務局にて会社ごとに「商業登記簿」という記録(公簿)が公開されています。
この登記簿には、会社法人等に関する一定の(重要)事項について記載がされています。
そもそも会社については準則主義がとられており、登記をすることにより初めて、その会社自体の法人格が認められます。(法人格が認められることにより、人間と同じように会社名で取引をしたり、会社名でお金や物を所有したりできるようになります。)
簡単に例えますと、人間でいうところの「出生」が、会社でいう「設立登記」にあたります。
2.会社法人登記の必要性
会社は人間と違い、顔や手足といった実体がありません。
人間同士であれば、相手の容姿や表情、話し方やふるまいを見て、その人がどういう人間なのかというのをある程度知ることができますが、会社についてはその外観がないのです。
(ブランドロゴやCMイメージはひとまず置いておきましょう。)
そこでもしあなたが、とある会社と取引をすることになったとして、その相手方をどうやって信頼したらいいでしょう。
もしかしたら、相手の会社は口で名乗っているにすぎず、本当は法律上存在しない会社かもしれません。
大きな金額の取引をしようとする相手方が、もしかしたら破産手続中の会社かもしれません。
会社名が某一流有名企業と同じ名前だからと信用して取引したら、名前だけが同じでまったく関係のない小さな会社かもしれません。
相手を信頼するには、相手のことを知る必要があります。
会社の登記簿には、代表的な登記事項として①商号(会社名)、②本店所在地(会社の住所)、③公告方法、④会社成立の年月日、⑤株式の総数や株式の種類など、⑥資本金の額、⑦役員(取締役や監査役)の氏名など、その会社に関する重要な事項が記載されています。
登記簿の記載事項を見ることによって、その会社の全てというわけにはもちろんいきませんが、取引をするにあたり最低限知っておく必要がある事項について公示されているので、会社法人が当事者になる取引についても一定の安全性や円滑性が期待できることになります。
3.会社の登記をしないで放置すると?
まず、登記が必要とされる事項(上述した商号や資本金の額など)については、きちんと登記をしておかなければ善意の第三者に対抗することができません。
また、会社法人登記については、本店所在地については原則2週間以内に登記しないといけない旨、法律で定められています。
この登記義務を怠ると、金100万円以下の過料に処せられることになっています。
(実際の過料金額は、放置した期間などによって変わってくるようです。もし、登記をし忘れてしまったとしても、そのまま放置にはせず、すぐに司法書士へ相談することをおすすめいたします。)